私が40歳で初めて単身赴任を決断したとき、単身赴任のイメージは寒い、暗い、さみしい、わびしい、お金がかかる、ストレスが多い、と大変のネガティブなものばかりでした。
単身赴任について知ろうと思い図書館、本屋で書籍を捜しても見当たらず、参考になる本を捜し出す事は出来ませんでした。また、私自身単身赴任をはずかしい事の様に感じ、人に体験談を聞く気にもなれませんでした。
しかし、単身赴任した最初の赴任地である先輩が同じ京都より単身赴任している事を知り、また赴任地で会社の同僚を見渡すと思った以上に多く人が単身赴任している事に驚きました。
そして、過去に単身赴任を1度は経験した経験者がさらに多くいる事、役職が上がる程単身赴任する確率が高まり、例えば私の会社の支店長は代々単身赴任の方がほとんどでした。
私の経験からも単身赴任を積極的に表に出さないのは、不在にしている自宅の家族に配慮しているためです。万一単身赴任の情報が変なところに伝わり、留守宅がトラブルに巻き込まれるリスクを回避するためです。
そのため、単身赴任している人も普段はその事に触れたがりません。しかし、お酒の入る場面になるとその話で盛り上がります。皆、それぞれ単身赴任について思い入れがあるためです。
単身赴任仲間と知ると妙に親近感と連帯感が生まれ同志の様に話が弾みます。その後もその連帯感は続き良好な人間関係を保つ事が多い様です。
単身赴任経験者から見るとその事を一度も経験していない人は、会社人間としてまだ修行が足りないと見る向きもある位です。
また、仲間同士で話す内容は赴任地・移動交通手段の情報、賃貸料・住居地の情報、家族の状況等多岐に渡ります。この様な状況なので多くの単身赴任者、経験者がいるにもかかわらず、なかなか市民権を得ることが出来ません。
しかし、単身赴任を前向きに活用するとすばらしい可能性を秘めています。現に私は約10年間の単身赴任生活で納得の行く仕事の成果をあげる事が出来ました。
その結果会社で満足のいくサラリーとポジションを得ることが出来ました。また、別荘を持つ様に日本の2ヶ所で生活する夢も実現しましたし、本を執筆し出版する夢も叶いました。
そして、単身赴任先住居を家族旅行の目的地として利用し楽しんでいます。自宅と赴任先の移動中に多くの本を読むことができ人生に多大な恩恵を授かり、この読書習慣は私の大きな財産となっています。
以上の事よりなかなか語られる事の少ない単身赴任にスポットをあて、私の経験と単身赴任仲間より頂いた貴重な情報を交えながら、その心得・考え方に始まり、歴史、ノウハウ、活用方法、楽しみ方、哲学、文化を発信できればと思います。
少しでも多くの方に単身赴任について知って頂き、市民権を得られればと思います。単身赴任を人生における一つの前向きな事業と捉える事も出来るのです。
最後に単身赴任は確かにつらい面もありますが、前向きに捉え活用する事で多くの恩恵をもたらしてくれます。その一助となれば望外の喜びです。
返信がありません