帯状疱疹は発症すると、一般的に痛みが激しく、夜眠れないくらいの痛みに襲われことがあるようです。また、忙しい時、疲れている時,病気の時に発症することが多く、泣きっ面に蜂的な病気です。再発率も約6%と一回なったから大丈夫という病気ではありません。
そして、帯状疱疹後神経痛というやっかいな病態へ約2割位が移行し、何か月も、場合によっては何年もその痛みに苦しめられます。そのため、日常生活も制限されますし、痛みに伴う治療にも医療費がかさみます。
治療薬の抗ウイルス薬も効果は高いのですが、一般の人が帯状疱疹と気づくにはどうしても時間がかかり、お医者さんに診てもらう時には症状が進展してしまうケースも多い様です。
新型コロナと同じく、やはり予防が一番で、今では予防ワクチンが2種類あります。下記のGPTを参考に頂ければと思うのですが、一押しは新しいワクチン、シングリックスがおすすめです。10年たっても十中八、九予防しますし、10年以上の予防効果もこれからのデーターより期待できます。
私もすでに5年前位に接種したのですが、もちろん帯状疱疹は発症していません。また、副反応ですが、自分の経験と、周りの接種した知人の話を総合すると、新型コロナワクチンと同程度です。それなりの覚悟がいるワクチンと言えますが、コロナワクチンみたいに数か月で効果が切れるわけではなく、10年以上持ちますので、接種しがいがあります。休みの前の日に接種し、休日はゆっくりしていることをお勧めします。
また、下記データーより、近年の研究で、認知症予防効果が約5年で2割位あることが明らかになりつつあります。水痘ウイルスが悪さをしているのであれば、そのウイルスの活動を10年以上にわたり予防することから、この効果は年数がたつともっと高まる可能性すらあります。
このブログの先の記事で報告しましたが、新しい認知症治療薬、リケンビが半年間の認知症の進行を遅らすのに、約300万必要なのに対し、シングリックスは50歳以上で、計2回約4~5万で接種が可能です。しかも、今年度から65歳の方は定期接種で、ほぼ無償で接種ができます。これは、接種すべきだとおすすめします。(下記、厚労省ポスター参照)。
認知症予防効果、約2割は知り合いのドクターに言わせると、医療経済的にとてつもない社会的な有益インパクトだと言っていました。一石二鳥のこのワクチン、おすすめです。
帯状疱疹(たいじょうほうしん)
**帯状疱疹(たいじょうほうしん)**は、**水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされる病気です。
このウイルスは、もともと水ぼうそう(水痘)**を起こす原因ウイルスでもあります。子どもの頃に水ぼうそうにかかったあと、ウイルスは完全には消えず、体内(神経節)に潜伏しています。これが大人になって何らかの理由で免疫力が落ちたときに再活性化し、帯状疱疹を引き起こします。
主な特徴
- 症状
- 皮膚にピリピリするような痛みやかゆみが先に出る
- 数日後、痛みを伴う赤い斑点や小さな水ぶくれが帯状に現れる(体の片側だけ)
- 発熱や倦怠感を伴うこともある
- 顔面に出ると、目や耳に重い合併症を引き起こすことがある
- 原因
- ストレス
- 疲労
- 加齢
- 免疫力低下(がん治療中、糖尿病、免疫抑制剤を使っている場合など)
- 治療
- 抗ウイルス薬(早期に服用すると効果的)
- 鎮痛剤(痛みの緩和)
- 皮膚症状のケア(清潔を保ち、必要に応じて軟膏など)
- 注意点
- 治った後も「帯状疱疹後神経痛(PHN)」という、強い痛みが長期間続く後遺症が残る場合がある
- 早めの治療が後遺症を防ぐために重要
- 帯状疱疹ワクチン(50歳以上推奨)も予防に有効
帯状疱疹の発症率・好発年齢・疫学・PHN発症率
■ 発症率
- 日本では、**生涯で約3人に1人(30%〜33%)**が帯状疱疹を経験するとされています。
- 年間発症率は、一般的に1000人あたり3~5人くらいですが、年齢が上がると発症率も増加します。
- 50歳以上になると、年間発症率は1000人あたり7〜10人ほどに上昇します。
■ 好発年齢
- 50歳以上が特に多いです。
- 高齢になるほどリスクが高く、70代〜80代でピークを迎えます。
- 近年では、**若年者(20〜40代)**でも、ストレスや免疫力低下によって発症が増えてきている報告もあります。
■ 疫学データ(日本国内)
- 帯状疱疹患者の約6割は50歳以上。
- 女性のほうが男性よりやや発症率が高い傾向(ホルモンバランスや免疫調整の違いが関与?と考えられています)。
- 季節性は特に明確ではないが、冬から春にかけてやや多いというデータもあります。
- 免疫抑制状態(がん治療中、臓器移植後、HIV感染など)ではさらにリスク増加。
■ PHN(帯状疱疹後神経痛)の発症率
- 帯状疱疹を発症した人のうち、**10〜20%**程度がPHNになります。
- 高齢者ほどPHNのリスクが高い:
- 50歳未満:PHN発症率 5%以下
- 50〜59歳:10%前後
- 60〜69歳:20%前後
- 70歳以上:30%超えることも
- 特に発症時の痛みが強い人や発疹が重症だった人、治療開始が遅れた人は、PHNになりやすい傾向。
超簡単まとめ
項目 | ポイント |
---|---|
発症率 | 生涯リスク 約30% |
好発年齢 | 50歳以上(特に高齢者) |
疫学傾向 | 女性にやや多い、日本では増加傾向 |
PHNリスク | 高齢ほど高く、70代以上で30%以上 |
帯状疱疹予防ワクチンについて
現在、日本で使われている帯状疱疹ワクチンは大きく2種類あります。
ワクチン名 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|
乾燥弱毒生水痘ワクチン(ビケンなど)ゾスタバックス | 生ワクチン | 1回接種、免疫低下の人は接種不可 |
シングリックス(Shingrix) | 不活化ワクチン | 2回接種、効果が高く、免疫低下の人にも使える |
■ それぞれの詳しい内容
【1】乾燥弱毒生水痘ワクチン(従来型)
- 元々は水ぼうそうのワクチンを帯状疱疹予防にも使う考え方。
- 対象:50歳以上
- 接種回数:1回のみ
- 予防効果:発症リスクを約50~60%減少
- 効果持続:5年くらいとされる
- 副反応:
- 注射部位の痛み・腫れ(軽い)
- 発熱や発疹(ごく稀)
- 生ワクチンなので、免疫不全の人には使えない
【2】シングリックス(不活化ワクチン・最新型)
- 帯状疱疹専用に開発されたワクチン。
- 対象:50歳以上、または18歳以上で免疫低下のある人
- 接種回数:2回(2ヶ月間隔)
- 予防効果:発症リスクを90%以上減少
- 効果持続:少なくとも9年以上(さらに延長される見込み)
- 副反応:
- 注射部位の痛み(かなり頻度高い、70~80%くらい)
- 筋肉痛、発熱、倦怠感(インフルエンザっぽい症状)
- 2〜3日で自然に回復する
- 特に重い副反応は稀だが、まれにアレルギー反応なども。
■ ワクチン比較表まとめ
項目 | 乾燥弱毒生ワクチン | シングリックス |
---|---|---|
種類 | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
接種回数 | 1回 | 2回(2か月間隔) |
効果 | 約50%減少 | 約90%減少 |
効果持続 | 約5年 | 9年以上 |
副反応 | 軽め | やや強め |
接種対象 | 健康な50歳以上 | 免疫低下者も可 |
■ ポイント
- **強力に予防したい人(特に高齢者、免疫低下者)**は「シングリックス」が推奨されています。
- 費用は自己負担(65歳以上は定期接種)。
- 帯状疱疹後神経痛(PHN)のリスクもワクチンでかなり減らせることが分かっています。
帯状疱疹ワクチン定期接種


帯状疱疹ワクチンで認知症リスク低下の可能性 米研究 CNN記事
帯状疱疹(ほうしん)ワクチンの接種によって認知症のリスクを低減できる可能性があるとする研究結果が、相次いで発表された。
米国の成人は推定98%が水ぼうそうにかかったことがあり、同じヘルペスウイルス科の水痘帯状疱疹ウイルスを原因とする帯状疱疹を発症するリスクがある。
ヘルペスウイルスの中には、脳内に潜んで免疫力が低下すると活動が活発になる種類があるとの見方が強まっている。理論的には、そのダメージによって認知症を引き起こす可能性がある。
米国では2006年に初の帯状疱疹ワクチン「ゾスタバックス」が認可され、17年にはより効果の高い「シングリックス」が認可された。米疾病対策センターは、50歳以上の高齢者に対してシングリックスの接種を推奨している。
研究チームはシングリックスを接種した数十万人の記録をさかのぼって調べ、別のワクチンを接種したグループとの間で認知症と診断された割合を調査した。
25日の科学誌ネイチャー・メディシンに発表された研究では、ゾスタバックスを接種した65歳以上の約10万人と、シングリックスを接種した65歳以上の約10万人を比較した。
その結果、ワクチン接種から6年以内に認知症と診断された確率は、シングリックスを接種した人の方が、ゾスタバックスを接種した人より17%低いことが分かった。
論文筆者のうち1人は、シングリックスを開発したグラクソ・スミスクライン(GSK)から報酬を受け取ってコンサルタントを務める免疫学者だが、今回の調査にGSKは関与していないと研究チームは説明している。
研究チームは次に、シングリックスを接種した高齢者と、インフルエンザおよびジフテリア・百日咳(ぜき)・破傷風の混合ワクチンを接種した高齢者を比較した。その結果、シングリックスを接種した高齢者の認知症リスクは、インフルエンザワクチンを接種した人に比べて23%、混合ワクチンを接種した人に比べて28%、それぞれ低いことが判明した。
別の研究でも同様の結果
一方、アルツハイマー病協会の国際会議で30日に発表される研究でも同様の結果が出ている。こちらはスポンサーとなったGSKが発表し、まだ外部の専門家による査読は受けていない。
こちらの調査では医療法人オプタムが保有する電子カルテのデータベースを利用。シングリックスまたはゾスタバックスを接種した50歳以上の約60万人を、細菌感染症予防ワクチン「ニューモバックス」を接種した人と比較した。
その結果、ニューモバックスのみを接種した人に比べると、ゾスタバックスを接種した人が5年以内に認知症と診断される確率は8%低く、シングリックスを接種した人は約20%低かった。この差は帯状疱疹ワクチンによるものと推定される。
シングリックスを接種した人が5年以内に認知症と診断される確率は、ゾスタバックスを接種した人に比べると約23%低かった。
帯状疱疹ワクチンと認知症リスク低下の関係については、さらに詳しく調べる必要があると研究者は指摘している。
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