2.単身赴任の歴史

単身赴任の理解を深めるためその歴史について考えてみたいと思います。歴史を知ることにより古くから日本人は単身赴任を受け入れてきた国民であることが理解できます。

単身赴任のはじまり

そもそも単身赴任の始まりとは何かをインターネットで調べてみました。フリー百科事典 ウギペディアによると日本では組織的に単身赴任が開始された歴史的エピソードは防人で以下抜粋してみます。

日本の防人は、663年に朝鮮半島の百済救済のために出兵した倭軍が白村江の戦いにて唐・新羅の連合軍に大敗したことを契機に、唐が攻めてくるのではないかとの憂慮から九州沿岸の防衛のため設置された辺境防備の兵である。

その規模は2000人程度を数えた。任期は3年で諸国の軍団から派遣され、任期は延長される事がよくあり食料・武器は自弁であった。当初は遠江以東の東国から徴兵され、その間も税は免除される事はないため、農民にとっては重い負担であり、兵士の士気は低かったと考えられている。

徴集された防人は、九州まで係の者が同行して連れて行かれたが、任務が終わって帰郷する際は付き添いも無く、途中で野垂れ死にする者も少なくなかった。

実際に、8世紀の末から10世紀の初めにかけてしばしば新羅の海賊が九州を襲った。院政期になり北面武士・追捕使・押領使・各地の地方武士団が成立すると、質を重視する院は次第に防人軍団の規模を縮小し10世紀には実質的に消滅した。

と記載されています。驚いたことにすでに1000年以上前に100年間以上にわたり国家的単身赴任が組織化され、遠く東北より九州へ赴任していた事が伺えます。

任期も3年で延長される事のよくあるくだりはまさに現代に共通した事と思います。この時の防人の気持ち、家族への思いが短歌として万葉集に収められています。

この様に日本においてはすでに、1000年以上前よりある意味での単身赴任が組織的、国家的、大規模に長期間実施された歴史が残っています。この史実より日本人は古来から単身赴任を受け入れてきた国民と推測されます.

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