身近な例として自分の父親の話を記します。父は海外展開もしている大手繊維メーカーに勤務していました。その後定年退職し20年近く老後の生活を楽しみました。団塊世代の一世代前の世代に属していると思います。
父は私が小学校低学年の時に会社の海外技術輸出部に配属となりました。当時は高度経済成長まっただ中であり、日本企業が海外へ積極的に進出していた時期と思われます。
父も1年もしないうちに東欧のポーランドの首都ワルシャワへ単身赴任となりました。当時は米国とソビエトの冷戦厳しき頃であり、どのような経緯で父の会社がポーランドでの技術輸出契約を締結できたかは知るよしもありません。
しかし、それから父は1年に数回、延にして数週間程度帰国するだけで、私が中学生になるまで単身赴任を続けました。
現在でこそ電話・携帯・インターネット等のITシステムが世界中を結んでいますが、その当時は冷戦の影響もあり国際電話もつながりにくく、1ヶ月に1回位何時間も電話の前で待ってやっと通話ができる状況でした。
また、当時国際電話は非常に高価で数分父の声を聞く程度で音声も聞こえにくかった事をおぼろげながら覚えています。
私が中学生以降数年間は日本での勤務でしたが、その後日本にいる間隔は長くなりましたが同じように海外と日本を行ったり来たりで私が高校卒業、大学進学まで単身赴任を続けていました。
その後、数年間父は同じような勤務を続けた様ですが、私が大学進学に伴い実家を出て東京での一人暮らしになったため記憶にあまり残っていません。
この様に私自身が単身赴任であり、父親も単身赴任と言う親子二世代に渡る単身赴任家族となります。読者の中にはこの様な経験をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。
当時、父親が単身赴任中残された家族は、母親と3歳年上の兄そして私と3人で、父の会社の社宅に高校卒業まで住んでいました。今から考えても特に父親が不在な時は母親が頑張って家族を切り盛りしていた事を思い出します。
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